「愛松亭」跡



「愛松亭跡」の碑と副碑(漱石が明治28年4月16日,愛松亭で書いた,恩師神田乃武(ないぶ)宛の着任第一報の書簡碑)


 漱石の「坊っちゃん」の主人公は,「山嵐」に勧められて,「山城屋」から「町はづれの岡の中腹にある至極閑静な家」に移る。主人は骨董を売買する「いか銀」。その下宿のモデルとなっているのが,「裁判所の裏の山の半腹にて眺望絶佳の別天地」,津田保吉の「愛松亭」(小料理屋)である。漱石は,明治28年4月から6,7月までの数カ月間,その二階に下宿した。
 大正11年久松家別邸として萬翠荘が建ってからは,昔を物語るものは,漱石らもその水で顔を洗った井戸の石組みだけとなった。