薬師寺



寺清水 西瓜も見えす 秋老いぬ

我見しより 久しきひょんの 茂哉

(子規)


 「散策集」明治28年(1895)10月2日のところの末尾に「薬師ニ句」としてこの句がある。
 「散策集」では「ひょんの木の実哉」となっているのを,後,句集「寒山落木」では「ひょんの茂哉」として夏の句とした。
 ひょんの木はマンサク科のイスの木で葉の際にできるヒヨンの実は虫の巣で空殻の虫の出た穴を吹くとヒヨヒヨとなるのでこの名が起こった。
 薬師寺は加藤嘉明の創建により境内には滝の観音が祀ってあり,冷水がわき夏には西瓜を冷やしていた。
 
「ヒョンノキ」 別名「イスノキ」といい、「マンサク科」。属名は「イスノキ」。
 本州西南部から琉球および台湾、中国に分布する。暖地の山中に生える常緑高木。
 高さは20mくらい、葉は長さが5から8cmで、厚く無毛。葉の際にできる「ヒョンの実」は虫の巣で、空殻虫の出た穴を吹くと、「ヒョウヒョウ」と鳴るのでこの名がある。花は春に咲く。