
斉明(女帝)は、朝鮮の百済を救い、新羅を討つため船を西へ進める途中、661年1月14日、道後温泉を仮の宮に定めしばらく滞在した。その後、温泉近くの港(熟田津)から九州に向かって船出するときに、側にいた額田王が次の歌を詠んだ。
女帝自身の歌との説もあり、出発は1月22・23日の午前2〜3時頃で、下弦の月夜の出港との説がある。「にきたつ」で船出しようと月の出を待っていると、潮も都合のよい高潮になってきた。さあ、出かけよう」という張りつめた気分の歌である。”熟田津に船乗りせむと月待てば
潮もかないぬ今は漕ぎ出でな”